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古えの石垣の円相 / Enso on Ancient Stone Wall

teamLab, 2023, Digital Installation, Sound: Hideaki Takahashi

古えの石垣の円相 / Enso on Ancient Stone Wall

teamLab, 2023, Digital Installation, Sound: Hideaki Takahashi

金沢城内の石垣の中で、最も古い技法「野面積み」(自然石をそのまま積み上げる方法)が用いられている東ノ丸北面石垣(創建1592〜1595頃)。その石垣に「円相」を書き続ける。

光で描かれる書の黒は、光がないことを意味し、数百年の長い時間による風化が生んだ石垣がつくる影と区別がつかない。書の黒と長い時間がつくる黒は一体となって、石垣に「円相」を永遠に書き続ける。
円相は、石垣の物質的な境界面を曖昧にし、新たな時空を生む。

禅における書画のひとつ「円相」(円形を一筆で描いたもの)を空書で一筆で描いている。立体的に描かれた一筆は、回転することによって、円に見える瞬間が生まれる。
「空書」とは、チームラボが設立以来取り組んでいる空間に書く書のこと。書の墨跡が持つ、深さや速さ、力の強さのようなものを、新たな解釈で空間に立体的に再構築している。

禅において、円相は、古来は空中に杖などで円圏を描いて表されたりしてきた。そして、悟りや真理、宇宙全体、そして平等性を象徴的に表現したものとされる。 見る人の心を映し出す円でもあり、解釈は見る人に任せられる。