水墨空間


水墨空間
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Concept
永らく続いた客観主義に基づいた世界の捉え方は、行き詰まりを感じている。ではどうやって世界を捉えればいいのか?客観主義による行き詰まりを乗り越えるヒントを、実は、我々の先代達は、持っていたのではないか?そう考えて、そこを模索してみようと思ったのが、このプロジェクトのはじまりである。
日本の先人達は、特有の美術表現で、3次元空間を2次元の平面に落としこんで来た。3次元空間を2次元に落とすということは、数学的に言えば、情報量を圧縮することである。西洋では、遠近法に代表されるように、客観的な法則で、空間を2次元で表現した。しかし、日本の先人達は、客観的な手法ではなく、極めて主観的な手法で、2次元平面に圧縮してきたように思えるのだ。その最も圧縮度合いが高いのが、墨絵であるように思っている。墨絵とは、そう、極めて、主観的な人間の力によって、究極まで、圧縮された空間なのである。
空間を主観的に圧縮したということは、そもそも人間は、世界を主観的に捉えていたことを、われわれの先代達は、知っていたのだろう。それが、いつのまにか、西洋の客観的世界観が、まるで全てのようになり、我々の世界は、頭で考える理性的客観的世界体で感じる感情的主観的世界が分離し始めたのだ。過去に回帰しようと言うわけではない。全ての文明と科学の発展を肯定した上で、分裂した世界をもう一度、統合的なものにする、チャレンジなのである。
世界を人がどのように主観的に圧縮したのか、そもそも、そこまで圧縮された表現、大胆でかつシンプルな線で、そもそもなぜ、人々は、躍動感や、世界観を感じることができるのか、

そこに、一定の法則は、あるのか?

コンピューター上で作った仮想な3次元空間、テクノロジーを使って、墨絵と感じるような美術表現を作るということは、その構造を知るヒントになるかもしれない。それは、従来の客観的視点に立って発展してきたテクノロジーへの新たなチャレンジである。