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プレス資料

アニメーションのジオラマ
十二幅対の光の掛軸からなる映像空間物語


十二幅対の光の掛軸


掛軸に見立てた12台の高さ2.7mのLEDディスプレイに映し出されたアニメーション、12チャンネルから鳴り響 くサウンドがつくりだすジオラマ。
現実空間を、2Om×10mの物語空間へと変貌させる インスタレーション作品。

コンピューター上で創り上げた仮想の3次元空間を、日本の先人達の空間認識を 探りながら、新たな解釈で、平面化した絵画表現。 物語空間を12の視点から切り取り、空間に配置さ れた12台の巨大なディスプレイで、現実空間を展開する。

など、全3作を、フランスパリルーブル宮内 装飾美術館で行われる日仏交流150 周年記念事業「感性 kansei Japan Design Exhibition」の メインホールにて、展示します。



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概略


掛軸に見立てた12台の高さ2.7mのLEDディスプレイに映し出されたアニメーション、12チャンネルから鳴り響くサウンドがつくり出すジオラマ。
現実空間を、20m×10mの物語空間へと変貌させるインスタレーション作品。

コンピューター上で創り上げた仮想の3次元空間を、日本の先人達の空間認識を探りながら、新たな解釈で、平面化した絵画表現。物語空間を12の視点から切り取り、空間に配置された12台の巨大なディスプレイで、現実空間に展開する。

遠近法は時間軸がない瞬間の空間の客観的で幾何学的な平面化だが、これは西洋的な技法で、日本では絵巻物に代表されるように、奥行きを物語全体の時間軸まで含まれた4次元空間の平面化を発達させた。

日本の美術表現は、遠近法と違い、空間の物理的な情報を客観的に捉えることは犠牲となったが、焦点がないがゆえに、鑑賞者の場所も特定されない。また、物語とは関係のない場所へ思いをはせやすかったり、鑑賞者が登場人物になりきりやすかったりと、客体と主体が曖昧で表裏一体の物語空間を出現させる。

コンピューター上の仮想の3次元空間を、日本の絵画表現のように平面化する試みによって、日本の先人達が、空間をどのように視覚的に認識していたか、世界をどのように捉えていたか、ということを探る実験でもある。

物語

1.栄華極まる平安京。光源氏は、きらびやかな色彩の中で、生活を送っていた。そんな時、平安京で、突然、厄病が流行る。厄病の原因を探るために光源氏は、都の外へと旅立つ。

2.厄病が続く方向へと旅立った光源氏は、とある村へ行き着いた。村では自然の恵みを祝いお祭りが行われていた。

3.祭りが終わり、日常に戻った村では、厄病の影響を受けながらも、人々は、果敢に  生きていた。人々は木々を切り文明を発展させ、また様々な自然の恩恵を受けながら、豊かに暮らしていた。

4.村は、都での新たな建築のための多くの材木を依頼され、山の奥深くの巨木を切り倒すことになった。巨木を切り倒すと、突如、そこからヤマタノオロチが現れる。ヤマタノオロチは、怒り狂い、大雨を降らして洪水を起こす。

5.村の家々をなぎ倒し、暴れまわるヤマタノオロチに続き、森の神々がやってきて、次々と村人を襲い始める。

6.後に残ったのは、荒れ果てた土地と、村の家々の残骸のみ。村は、自然の恩恵を失い、飢えに苦しむ。

7.後に残ったのは、荒れ果てた土地と、村の家々の残骸のみ。村は、自然の恩恵を失い、飢えに苦しむ。

8.光源氏は、ヤマタノオロチや森の神々の屍に囲まれ呆然とする。困った光源氏は、ヤマタノオロチの屍に、種をまいてみる。そうすると、屍から、芽が出て、み るみる花々が咲いていく。その花々は、樹木に成長し、森が作られていく。生き残った村人たちは、森の恩恵をまた受けることができるようになり、文明を発展 させながらも、森と共に懸命に生きていく決意をし、村では、また祭りが行われる。

※注 ヤマタノオロチは、『日本書紀』、『古事記』など日本神話に登場する伝説の生物。8つの頭と8本の尾を持ち、目はホオズキのように真っ赤で、背中には苔や木が生え、腹は血でただれ、8つの谷、8つの峰にまたがるほど巨大とされている。オロチの腹が血でただれているのは、砂鉄(あるいは鉱毒)で川が濁った様子を表しているとする説もある。また、たたら吹き(製鉄)には大量の木炭を必要とするため、川の上流の木が伐採しつくされた結果洪水が起きた事を象徴しているともされる。

コンセプト

実際に見た風景に感動して撮った写真を持ち帰って見たときの違和感、もしくは、写真を見てから実際にその場所を見たときの違和感。
我々は、空間を、目で見ているのではなく、脳で見ている。
教育された概念や常識、多くの経験によって、見えたものを脳で補正し、再構成を行なっているのだ。

たとえば、私たちが遠近法を用いて描かれた絵画を正しく理解できるのは、同一のものが均等に配置された都市での生活や、教育、写真や実写の映像を多く見ていることによる部分が大きい。今でも、原始的な環境で生活する民族は、遠近法絵画の遠近を正しく理解することができない。

先天的に目の見えなかった人が、成長してから開眼手術をして視力を取り戻したとして、目は正常な機能を持っていても、その人は直ちに空間を把握できない。

つまり、写真や実写の映像のように、客観的に空間の物理的に存在する情報を、遠近法によって、平面化することとは、人間が、空間を認識していることの一側面なのだ。

では、現代の人間が、実写の映像と、今人間が見ている世界に、そんなに区別がつかないように感じるのは、なぜか。

逆に言えば、遠近法の教育を受け、写真や実写の映像に囲まれて生活し、いつのまにか、人間もまるで、空間を、写真や実写の映像と同じように見ていると思い込んでいるだけかもしれないのだ。
人間は、もっと、主観的に世界を捉えている。にもかかわらず、世界を物理的な客観的世界だとすることによって、主観的世界を分離してしまった。 そして、空間を、写真や実写の映像と同じように見ていると思い込んでいるのだ。

では、主観的な認識、身体的な感覚を重要視していた文化圏では、世界がどのように見えていたのだろうか?

日本は、客観的に世界を捉えることを重視していなかったように思える。世界は、主観的なものだと考えていたのだ。客観性が重要視される前の世界では、人は、世界をどのように認識していたのだろう。

そのことを知るために、日本の先人達がどのように世界が見えていたかを知ろうと思ったのだ。日本の絵画表現は、空間を観念的に平面化しており、遠近法のように幾何学的に計算・作図された平面化ではないと考えられている。

そんな日本の絵画表現を、コンピューター上の仮想の3次元空間によるCGで再現しようとするプロセスの中で、そのヒントが見つかるのではないだろうか?

それがこのプロジェクトの動機である。 そして、それは、分裂した客観的世界と主観的世界を再び統合的なものにするヒントになるかもしれないと考えている。


3D Shading(遠近法による平面化)


3D Wireframe
(日本絵画的平面化)


3D Shading
(日本絵画的平面化)


compile


後書

まるで主観的に心情で感じる生命感を、勢いで描いたような日本の水墨画。空間を平面化するという視点では、まるで論理性がなく、個性によって抽象化した再現性がない平面化のように思ってしまう。

作品中の森を、生命感溢れる、神々を感じるように、水墨画のような絵画表現にした。しかし、3DCGアニメーションで描くということは、木が倒れたり、木の周りを視点が回っていったりするアニメーションの、どの瞬間も、水墨画のような絵画表現になるということだ。それは、どの視点から平面化されても、水墨画のような絵画表現になる3D上の立体物を作らなければならない。 (pictures 1)

そうすると、このような枝葉の木々の形となった。 (picture 2 : Shading)
知らない木だが、どこか知っている木だ。つまり、実際は見たことがないけれど、本当は見たことあるような気がしたのだ。そう、厳かで、神々がいるような、人間の手がまだ入っていない森に踏み入った時、森の生命感が強すぎて、畏敬を感じてか、こんなふうに森を感じたことがあるような気がするのだ。
そう、きっと、日本の先人達は、実際に、こんなふうに森が見えていたのかもしれない。
普通に、空間がこんな風に見えていたから、まるで現代から見ると再現性のないような平面化に見えているだけかもしれないのだ。

私達は空間と身体とは別物だと考えてしまっている。もう一度、空間を自分自身の身体からとらえ直してみたい。

TEAMLAB  猪子寿之



pictures 1

picture 2 : Shading

picture 3 : compile

空書 感性 十二幅対

空書とは、空間に書く書という意味。
伝統的な書を、現代の解釈で、立体的に再構築した。
空間に立体的に書く映像を、さらに12の掛軸に見立てたディスプレイで、空間に再構築したインスタレーション作品。

空書 空間・平面・重なり・連続か不連続か 十二幅対

伝統的な書を、現代の解釈で、空間に抽象化した。空間に立体的に書いた映像を、さらに、12の掛軸に見立てたディスプレイで、空間に再構築したインスタレーション作品。
遠近法のように空間を見ていなかった日本は、絵画の中だけでなく、現実の空間でも奥行きは異なる方法で構成された。例えば、フランスのベルサイユ宮殿の庭園では、同じ種類・高さの木を規則正しく植えられている。それらが規則的に小さく見えることによって、遠くに向かって連続的な奥行きが強調される。日本の修学院離宮の庭園では、近景、中景、遠景から景色が構成されていて、奥行きは、重なりで構成される。

今回は、さまざまな空間で書を書き、それを、一つの展示空間に合成している。
書が描かれる空間と、展示される空間の様々な関係が、どのような体験を生むかの実験的空間映像作品である。

音響 及び サラウンドシステム

音楽に参加した各アーティストには、録音時に絵コンテとイメージだけ与え、一人一人譜面なしの即興で、おのおの感じたものを演奏するという形式をとった。

ゆえに誰一人として相手の音にあわせる、という通常の音楽制作ステップを一切とっていない。

理由は、環境音を再現する上で、誰も相手の音は聞いていなく、唯一調和されるとしたら環境の持つエネルギーや状況がそれをさせるのではないかという仮説のもとで録音された。

サラウンドシステムは12ch surround systemで、logic pro7 の7.1 surround panでアレンジし、更にYAMAHA DM1000を併用しフォーマットは全てオリジナルである。

Total Produce: Design Association
Space Direction: JTQ
Artworks: TEAMLAB

・コンセプト & アートディレクター: 猪子寿之
・メインアニメーター:鈴木庸平
・アニメーター:伊藤篤史
・モーショングラフィックスデザイナー:青木良憲
・アシスタントディレクター:河田将吾, 渡部憲一
【サウンド:大和絵 絵巻物空間】
・サウンドディレクター:椎谷ハレオ
・作曲(Ending Ambient) & ミキシング & レコーディング:阿尾茂毅
・第3項音楽:渋谷慶一郎
・ボイス(ホーメイ):山川冬樹
・ボイス:シュリ
・篠笛:武田朋子
・和太鼓:内藤哲郎
・フィールドレコード:高野山真言宗総本山金剛峰寺(声明常楽会)/和歌山県高野山
-【サウンド:感性空書】
・エレクトリック バイオリン:勝井裕二

Exhibition Details

イベント名:感性 Kansei – Japan Design Exhibition
会 場:パリ、ルーヴル宮内 装飾美術館
会 期:2008.12.12-12.21
URL:http://www.lesartsdecoratifs.fr/
Les Arts Décoratifs 107, rue de Rivoli 75001 Paris France - Phone: +33 (0)1 44 55 57 50

About TEAMLAB

2001年に東京で活動をはじめたウルトラテクノロジスト集団。
プログラマー、ネットワークエンジニア、デザイナー、ロボットエンジニア、建築家、
CGアニメーター、数学者など、様々なスペシャリストからチームが構成され、テクノロジー、
アート、デザインの境界線をあいまいにしながら、ウェブか らインスタレーション、ビデオアート、ロボットなど、メディアを超えて活動。
代表 猪子寿之

住所:東京都文京区本郷4-9-22 本郷フジビル2F Tel:03-5804-2356  Fax:03-5804-2422
e-mail:pr@team-lab.com
URL:http://www.team-lab.net



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